1. めまい ふらつき 頭痛への鍼灸治療
◇加齢とともに有病率が高まるとされるめまい疾患はADLを低下させます。
また(common disease) 診療科を問わず、高頻度で遭遇する疾患であり原因は多岐にわたります。
◇天候の変化によっても頭痛は生じ、その場合はめまいを合併する例が多いことが分かっています。12. 気象関連痛(天気痛)と鍼灸治療のページ
(頭痛の診察ガイドライン2021で非薬物療法の中の選択、標準治療として鍼灸治療が推奨されています)
・頚や肩の緊張を主訴とされる方の多くが上記の症状を有しておられ、
また、その多くが後頭部の緊張が強まった際に出現または悪化することを訴えられます。
循環器や耳疾患によるものではなく、筋肉の緊張からなるもの「頭が鉛の様に重い」「怠くて動けない」といったものを頚性めまいといいます。
長時間の前傾姿勢などが誘因であることが少なくなく、この場合トリガーとなり得る可能性が最も高いものが「後頭下筋群」という後ろ髪の生え際あたりで深い位置にある小さな筋肉です。
頚の横に位置する胸鎖乳突筋や食いしばる筋肉、側頭筋など重要視する筋肉はその他存在します。
鍼灸治療
◇細い部類の鍼(線径0.14mm)を多く用います。
過緊張部位に当たれば鍼を持つ差手に収縮する筋肉の応答を深く感じられるからであり、太い鍼だと細い鍼ほどでないと考えます。この感覚は「魚が針を喰う」感覚だと表現されることが多くあります。
それと同時に緊張した筋肉は収縮反応を起こし、刺入された側は響き感を得ます。
そして、側臥位での刺入が安定感を高めます(殊更、その他の筋肉の触知も簡便です)。
[主に雀啄術、又は屋漏術という手法で穏やかに]
◇後ろ髪の生え際あたりの後頭下筋群に始まり、胸鎖乳突筋を経て、顔面部、そして肩部に終わり、細やかかつ丁寧に行います。
強い症状においては、伏臥位にて背面部への置鍼術を加えると良く、
また、頭痛の出現する部が頭頂部、または全体的に拡がっている場合は仰臥位にて頭部へ置鍼術を行います。
治療直後より症状の消失、または治療後から就寝するまでの間ごく微少な倦怠感が続いたが目覚めた後より数日間はめまい,ふらつき,頭痛症状はなかった、という経過をたどります。
◇症状の消失期間(2-14日が多数)には個人差がありますが、少しの期間でも悪循環を断つことは非常に有意であると常々感じている次第です。
◇緊張型頭痛においてはストレスや精神的緊張も因子となり得ます。
鍼灸治療は心理的ストレス要因や精神疾患の治療に効果が期待できますが、ストレッサーや精神的緊張の因子そのものを考慮し、治療を行うのが望ましいと考えます。